ブルゴーニュより緯度が低いため、日照量が多く、また、昼夜の寒暖差が大きいため、ブドウはフェノール分まで熟し、凝縮度も高い、しっかりとしたブドウができるレメリュリの畑。
石灰岩のテロワールから、引き締まったミネラルや、果実の本質的な生命力、そして、そのエネルギーがもたらすスケール感は、まるでヴォギュエの「ミュジニー」を想わせる複雑深遠な世界を表現しています。
テルモ・ロドリゲスは父と意見が合わず、1994 年に実家のドメーヌを飛び出しました。以降、自らのワイナリーを興し、伝統や文化が失われつつあった、スペイン各地のワイン産地を次々と復興させ、一躍
“スペインワインの革命児”として、世界的に知られるスターとなりました。
その頃のあだ名こそ、「まずいワインの造り方を知らない男」
2010年、遂に実家に戻ることが許され、このリオハ最古の歴史あるドメーヌを継承することになりました。リオハで最も由緒あるドメーヌ生まれ、歴史を担う者として<リオハには偉大なテロワールがある>ことを証明したいという強い想いを持って実家に戻ったテルモ。
リオハのテロワールを誰よりも知り尽くすテルモが、レメリュリの畑に隣接する「Las Beatas 」
(ラス・ベアタス)から造る2015 年ヴィンテージは、ワイン・アドヴォケイト誌で遂に100 点を獲得。リオハ最高峰のワインを生み出し、その偉大なテロワールを証明しました。
レメリュリに戻って以降、大規模な改植や 100% 自社畑、有機栽培、収量を大幅に減らし、造りにおいても新樽比率を減らして、よりナチュラルでエレガントなワインを造るための大改革を断行しました。
山の麓の特別なテロワールを持つレメリュリの真のポテンシャルが今味わえるのです。
① ボルドーより歴史の長い リオハ最古の畑
ミュジニー、ロマネ・コンティ、シャンベルタン、クロ・ド・ヴージョが修道士によって切り拓かれたのが
9~10 世紀。同様に修道士によってレメリュリの地にブドウの木が植えられたのは 14 世紀、リオハ最古の畑で、その歴史はボルドーよりも長いのです。
トローニョ山脈のおかげで、冷たい北風が遮られ、霜害から免れることができるミクロクリマに恵まれたこの土地で、修道士達は「レメリュリの我らが聖母に捧げられた土地」と呼び、この地を聖地として崇め、ワイン造りも行われるようになりました。
② 村毎のテロワールの個性を体現する「リンデス・デ・レメリュリ」
広大なリオハは、多様な土壌、日照面、ミクロクリマがありながら、
「クリアンサ」
「レゼルヴァ」
「グラン・レゼルヴァ」
といった熟成期間の違いだけで認識され、画一的に販売されるなか、テルモは、同じアルジロカリケールでも標高が高く、北西向き斜面が多く、より冷涼な気候を持つ「ラバスティーダ村」と、南西向き斜面が多く、標高は低めで、地中海からの暖かい海風の影響を受ける「サン・ヴィセンテ村」の それぞれの村毎のテロワールの個性を見事に表現したワインを手掛けています。